ハートライフ押切ストーリー第6話|理学療法士Yさんと生活リハビリ立ち上げから6年間のストーリー
目次
ハートライフストーリー第6弾は、ハートライフ押切に勤務される理学療法士Yさんにスポットを当てます。Yさんは2017年8月より勤務され、生活リハビリを担当しています。Yさんと生活リハビリ立ち上げから、6年間のストーリーを紹介します。
「病院のリハビリ」と「生活リハビリ」の違い
以前、病院勤務をしていた頃は「退院を目指すリハビリ」が主でした。一方、高齢者施設におけるリハビリは「明確な目標がないのでは?」というイメージを持っていました。アクタガワに入職する前は「リハビリをどのようにしたら溶け込ませていけるのか」という課題が立ちはだかっているような、そんな気持ちがありました。
お御客様とのコミュニケーションから
初めのうちは病歴や手術歴ばかりをカルテで追っていた私ですが、アクタガワに入ってからは趣味や仕事歴にも目を向ける事を学びました。するとポツリポツリと語り始めて下さるお客様が現れました。
まずはお客様を知ることからです。そのためにはコミュニケーションが何より重要です。
お客様の心が変わってくる
「カゴの鳥は嫌だよ」という言葉にハッとしました。「本当はもっと動きたい」という気持ちが、その言葉には込められていました。それからはハートライフ押切の駐車場で屋外歩行練習を始め、そこから眺める富士山を見ては、ご主人と富士登山をした思い出を語って下さいました。また、お花が大好きなので、花瓶の水を交換するお仕事をしていただいたり、動く事と人生の背景がミックスされてくる「生活リハビリ」がスタートしました。
リハビリを兼ねてお花の水やりをします。
想い出の富士山をバックに撮影しました。
お客様のフラワー作品をお客様が各居室に運びます。
目標を持っていただく
施設では、つい「危ないから歩かないで」「座ってて」となりがちです。そこで、「出来るのにやって貰っている」から「出来るから自分でやろう」に変えていきたいと考えました。最初はコップ洗いやタオルたたみ等に挑戦して、「ありがとう」の輪を増やしたいと思いました。
湯のみをワゴンで運びます。
2017年
2023年 6年過ぎても変わらぬお手伝いです。
会話しながら食器洗い中です。
お客様のご希望で歩いて寿司屋へ行きました。
生活リハビリからの拡がり
次第にリハビリがお客様の生活の中に溶け込んできました。次の目標は、趣味や挑戦したい事を聴取し、リハビリに活かしていくことです。ご自分の好きな事となると、目の輝きが違います。ゴルフ、ダンス、郵便局へ友人に手紙を出しに行きたい等々、コミュニケーションを取れば取るほどご要望が出てきました。
社交ダンス
社交ダンスをやっていたという情報をお聞きして、早速練習開始です。
ゴルフクラブ
ゴルフ・パターゴルフをやっていたお客様を集めて、ゴルフクラブを発足しました。マイクラブをご準備してただいているお客様もいます。
郵便局へのお手紙
車イスのお客様もご自身で郵便局へお手紙を出しにいきます。
「夢をかなえるツアー」
「夢をかなえるツアー」お客様の希望で藤枝「蓮華寺・藤の花」の花見をしました。
生活リハビリを活用してレクにも積極的に参加
活動的なお客様が増えるにつれ、周囲の御客様にも刺激が伝わり、日々のレクに積極的に参加して下さるようになりました。ハートライフ押切のレクの種類も、それと同時に増えてきました。
書道
生活リハビリは普段のレク活動にも効果を表します。
フラワーアレンジメント
デッサン教室
ハンディークラフト
音楽教室
英語教室
クラフトバンドに挑戦
作業療法士の勤務
作業療法士が2020年4月から加わりました。ここでまた一気に生活リハビリが飛躍します。これまでには出来なかった手芸クラブや、ボタンを一人では留められなかった方へのボタンエイドという自助具作製など、作業療法士ならではの関わりがプラスされた事で、更に充実したサポートが出来るようになりました。
2020年4月より、作業療法士Sさん(右)が勤務しました。
理学療法士・作業療法士のコラボよるお客様のハーモニカとキーボードのコラボの演奏会です。
作業療法士によって手芸クラブを立ち上げました。
手芸クラブ、初めての作品です。
立位の折り紙を作りました。
お客様自ら、ご自分の衣類のボタンを直します。
作業療法士作製「ボタンエイド」
近くの手芸屋さんへ材料の買い出しに行きました。
介護職員・看護師・福祉用具担当との連携
「危ないから歩かないで」から「頑張って歩いているね」への変化は、お客様にとって何よりも嬉しい言葉のプレゼントです。介護職員の声かけは、無くてはならない存在です。昼夜を問わずお客様の様子を知っているからこそ、連携をとって情報共有をしています。看護師からも褥瘡の状態を教えてもらうことによって、車椅子の見直しや姿勢調整の情報伝達に繋げる事が出来ています。
職員と雑巾しぼりのリハビリ
看護師によるケア
「塗り絵」の作品
看護師が「塗り絵」の作品を飾ってくれています。
福祉用具の点検
2ケ月に1回のぺんぎん福祉用具サービスの職員による点検です。
体操のご様子
自発的に立位で体操をするお客様もいらっしゃいます。
現在
ハートライフ押切では「お客様の人生の可動域を拡げる」を目標に、さまざまな挑戦をしています。
①心の可動域を拡げる
お客様の心を豊かにする。氣力を導き出す。
②体の可動域を拡げる
体の可動域を拡げ、お客様の自由を育む。
③生活の可動域を拡げる
お客様の生活を安定させ、心豊かに一日一日を楽しく、いろいろなことにチャレンジして人生を謳歌していたただく。
日々是好日、一日一日を楽しく心豊かに生きていただくために「生活リハビリ」が存在します。
「お客様の心を拡げ、チャレンジ精神を芽生えさせ、心が体を動かし、行動に移す(目標を目指す)」これがハートライフ押切の生活リハビリです。
施設長より
「夢と希望を提供するハートライフ押切」を目指しています。
こちらの老人ホームの詳細は
ハートライフ押切(静岡市清水区・サービス付き高齢者向け住宅)